韓国軍哨戒艦４６人の犠牲は北の魚雷攻撃と断定

　韓国の哨戒艦「天安」沈没事件で、現場海底から発見された魚雷のスクリューやエンジンの部品などを分析した結果、ソ連時代の技術と中国、ロシア製部品で製造された「北朝鮮の典型的な魚雷」と断定、また、北朝鮮の字体で数字が刻まれた破片も見つかったという。
調査団には米国、英国、豪州の専門家も参加し、天安を沈没させたとみられる武器が魚雷であるという分析結果に同意しているというし、コンピューターを用いた模擬実験により、弾道２５０キロ内外の音響追尾型の重魚雷が天安を真っ二つにした可能性が高いとの暫定的結論を下している。
軍民合同調査団は２０日午前、事件が北朝鮮の魚雷攻撃によるものだと断定する調査結果を発表する見通しで、発表されれば北朝鮮の猛烈な反発も予想され、南北関係は一気に緊迫する模様だ。
韓国政府は事件を国連安全保障理事会に提起し、制裁決議を目指す方針だが、安保理常任理事国の中国とロシアは制裁に慎重とみられている。

北の犯行と断定　韓国沈没艦で調査結果発表へ
5月19日23時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000625-san-int

　【ソウル＝黒田勝弘】韓国政府は２０日午前、謎となっていた海軍哨戒艦沈没事件の原因について「北朝鮮の魚雷攻撃による」と断定する調査結果を発表する。現場海域で収集されたスクリューの破片の分析などから北朝鮮製の魚雷と判断したものだ。
　聯合ニュースによると、韓国の李明博大統領は１９日、鳩山由紀夫首相と電話会談し、「北朝鮮の犯行であることは確実だ」と述べた。
　韓国政府は同日までに、調査結果を日本のほか、米国、中国、ロシアなどに事前通告。２０日の発表に際しては北朝鮮を激しく非難するとともに、北朝鮮の無法ぶりや危険性を国際社会に強く訴え、国連などを通じた北朝鮮に対する厳しい制裁を求める方針だ。
　事件は北朝鮮の“テロ体質”をあらためて内外に印象付けるものだ。北朝鮮は過去の事件と同じく今回も「無関係」を主張しているが、さらなる孤立化は避けられない。今後、朝鮮半島情勢の緊張は必至だ。
　事件は３月２６日夜、北朝鮮との境界線に近い黄海の白●島（ペンニョンド）沖で、哨戒活動中の韓国海軍の哨戒艦（１２００トン級）が原因不明の爆発で真っ二つに割れて沈没、乗員４６人が死亡した。
　韓国軍は直ちに沈没艦の残骸（ざんがい）を引き揚げる一方、海底残留物の収集に全力を挙げた。調査結果の信頼性を高めるため米、英、オーストラリア、スウェーデンなどの専門家も加えた調査団で原因究明にあたってきた。
　韓国マスコミの報道では、韓国政府が「北朝鮮の犯行」と断定するにいたった“証拠”として、魚雷の残骸であるスクリューの破片に北朝鮮式の字体による番号が刻印されていたことなどを挙げている。また韓国軍が過去に入手していた北朝鮮製の魚雷が比較資料になったという。